山に登りはじめたきっかけ
山の雑誌は定期購読している。今回の特集は「冬の八ヶ岳」だ。冬の山は特別だ。
きーんと張りつめた空気。
だーれもいないフィールド。
濃密な自然の匂い。
どれをとっても心が躍る。何度経験してもやめられない。
本格的に山に登りはじめたきっかけは、大学に入学して数日後の出来事だった。どこに何があるのかわからないキャンパスの中をうろちょろしているうちに、何だかめったに聞けない人が講演会をやっているからおいでよと誰かに誘われた。暇だったしふらふらと出かけてみた。
その講演会は圧巻だった。今でもその人の口調を思い出すことが出来る。その人とは植村直己さんだった。この出会いがそのまま私を山に誘った。その場でその講演会を主催していた山岳サークルに加入し、数日後には先輩に中央アルプスに連れて行かれていた。
人生の中では自分の行く道を決めてしまう人との出会いというのが時にあると思う。
写真は今年の3月に撮ったもの 八ヶ岳連峰 天狗岳