山から消えてしまった若者たち

山から若者がいなくなってしまいました。私が山に登り始めた30年ほど前には、山にはたくさんの若者がいました。新宿駅にアルプス広場というのがあったのですが(今もあるのかな)、夜中にそこに列を作って並び、夜行列車に乗り込んで山に向かったものです。ちょうど植村直己が活躍していた時期でした。まぁ、そんなこととは関係なく、山のテン場は若者たちでにぎわっていたものです。それが、今の山は中高年ばかり。私なんかまだまだ若い方です。山なんか登って何になるの、かったるいだけじゃん。そんな若者が多いのです。確かに、山に登るのに理由なんかありません。でも、あの空気にふれ、あの景色を眺めるたびに、来て良かったなぁ、と思うのです。辛いけれど、辛いからこそ、その後に得るものが大きく、それは経験したものでなければわからないことです。辛いことをさけていてはその先に見えるものはいつまでたっても見えてきません。「自分らしく」が大切なことはわかります。でも、「自分を突き破る」ことも同じように大切です。突き破るためには、やみくもなエネルギーを必要とするものです。限界を作らず、がむしゃらに向かっていく。そんなパワーを持つことの出来るのは若い時だけなのですが。山に登ろうよ。無駄にはならないし、無駄なパワーを使うことが大切なんだよ。

写真は八ヶ岳の赤岳です。