石田衣良著/シューカツ!

最近の「シューカツ」事情について知るのにおもしろい本を見つけました。石田衣良著/シューカツ! という小説です。マスコミへの就職を目指す若者たちの物語ですが、こうやって就職活動って進んでいくんだ、というのがおもしろくわかる本です。これから就職活動をはじめる大学生だけではなく、高校生やお母さん方にもお薦めです。石田衣良さんの文章は、テンポが良くて読んでいて楽しくなります。登場人物たちの「青春ど真ん中」という動きも、気持ちよいモノでした。

実は、私は就職活動というモノをしたことがありません。文学部の、しかも日本文学科、なおかつ中世和歌なんてものに興味を持って大学に進んだときから、教職で飯を食っていくしかない、と覚悟を定めていたからです。大学4年では教員採用試験だけを受け、ダメなら大学院に進むつもりでいました。当時の採用試験はとんでもない倍率だったからです。まぁ、何とか新卒で就職できましたが。

なんだかんだといっても、日本の社会は大卒時の1回しか仕事を選択するチャンスがないわけです。このゴールデンチケットを取り損なうと、かなりの苦労が待っていることは確かです。苦労の多い割に得るモノの少ない敗者復活戦にまわるしかありません。シューカツ。今年はちょっとこの視点からいろいろと考えてみたいと思っています。

中学入試、高校入試、大学入試。すべてはこのシューカツにつながっているのですから。

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