青少年育成条例改正案

昨日の夜、遅い夕食を食べている息子と夜中のニュースを見ていた。東京都の「青少年育成条例改正案」に息子が反応していた。この条例は「悪質な性描写のある漫画やアニメを18歳未満に販売することなどを規制する」というもの。こうした法令にありがちなことだが、「何を持って悪質な性描写」とするかが問題になってくる。

「こうした法令ってさ、結局はあいまいな決着になって、行政の裁量でどんどん規制範囲が広がっていくんじゃない。そうしたところは怖いよね。」という息子の意見を聞いた。親ばかだが「へぇー、こいつちゃんとした大人になってるじゃん」と感心させられた。「確かにそうだな。戦前の言論統制も実は漫画からはじまったと言うことだ。歴史が繰り返されないようにそれこそ一般の市民が関心を持って見ていかないといけないな。でも、一方では青少年への性的な搾取もあとをたたないし、ゲームなんかの性的描写のひどさも現実にあることも考えていかないといけないな」

そんな会話が続いた。こうした表現の自由についての問題は若い人たちにツヨイ関心をもってもらいたい。

でも、石原知事って「太陽の季節」という小説で芥川賞をとった作家ですよね。あの小説には、幼い少女との肉体関係や、その少女を友達に売ってしまうことや、はては中絶手術が失敗してその子が死んでしまうなど、当時はとんでもない社会的批判をあびた小説なんですよね。この作品が映画化されたとき18歳未満の観覧が禁止されて社会問題になったということです。それがきっかけにいわゆる「映倫」が出来たということですが。石原さんって1950年代という私が生まれるより前に「表現の自由」で社会と戦った人だと認識していたのですが。

子供たちをいくら暴力とか性的なものとかから遠ざけようとしても、これだけ情報化が進んでいる時代の中です。基本的にはムリだと思うのです。政府の秘匿情報ですら公開されちゃうんですから。もちろん、何でも与えて良いというわけではありません。今だって18禁の雑誌や漫画はコンビニでさえ分けてあるのですからそれで良いのではないでしょうか。これ以上の規制よりも、子供たちそのものに「しっかりとした情報入手の教育」をしていくことが大切だと私は思います。

クレヨンしんちゃんでさえ、はじめの頃よりおしりを出す回数が減っているとのこと。基本的に受け手の側の良心が、作品そのものを変えていくのだと思います。それで良いんじゃないでしょうか。

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