母性愛は万能!?
本当にそうなのだろうか?
今朝の読売新聞に香山リカさんの「母を孤立化させる社会」という意見が掲載されていた。要約しておく。
☆「子供をいないことにしてしまいたい」と考える母親は、少なからず潜在的にいる。
☆今回の大阪の事件も特異なケースではない。大抵は、夫や実家の親、親戚やご近所などが手をさしのべている。
☆今回のように孤立しているのにSOSを出せないことを問題にすべきだ。
☆その背景には、「母性愛は万能」という幻想がある。
☆ママタレントが雑誌やブログなどで過剰なまでの子供への愛情を表現するなど「母親は子供を心からかわいがらないといけない」というプレッシャーがかかってる。
☆一昔前は、母親であれば子供が最優先というのが当然の社会だったが、今の社会は母親でも女性として自分らしく生きないといけない、仕事も充実させないといけない、という強迫観念が強まっている。
☆今は昔のように母親は子育てに専念という時代ではない。かといって地縁血縁の支援を期待もできない。
☆自分で子供を育てられない親もいるということを前提にした少子化対策でなければ、悲惨な虐待事件はなくならない。
まずは問題を一個人のものにしないことだと思う。と同時に、母親とはこうあるべきだ、といった観点からこうした問題を語るのもおかしい。母親像だけでなく、あらゆる価値観が揺れ動く中で、大事なことは「子供たちは社会全体で支えるべきだ」ということではないだろうか。
東京の都知事をはじめとして「日本はいったいどうなってしまったのかね。もう世も末だね」といった意見には肯けない。そうした社会になっていること、それを前提にみんなが何をしていくべきか、何ができるのか、そうした議論をすべきだと思う。生きにくい時代になっていること、いろいろな出来事が複合的に絡み合っていること、それを「人の気持ちがかわってしまった」で片づけてはいけないと思う。
こんな時代の中でお母さんをやっていくことは大変なんだ