試験範囲表を見て思うこと
まず、範囲表の中に「やったところまで」とか「授業で進んだところまで」というのがいくつかある。これって、学校の世界ではなく、ふつうの社会ではゼッタイに通用しない。たとえぱ、いつまでに出来上がりますか、という問いに、終わりしだいです、と答えているようなものだ。
生徒指導や部活の指導などで忙しいのはわかる。学校行事が立て込んでいて授業がつぶれてしまっているのかもしれない。それでも、やったところまで、の範囲表はゼッタイに良くない。
もうひとつ。あまりにも進度がめゃめちゃだ。
ある中学の1年生の中間試験の範囲は「文字と式」までだった。4月〜9月まで5ヶ月をかけて「正負の数」と「文字と式」までしか進まなかった。それなのに、そこから1ヶ月で「方程式」と「比例」までを終わらせてしまっている。生徒に聞くと、方程式の応用問題は2回ほどの授業で終わってしまったとのこと。
また、学校によっては、今回の英語の範囲がプログラム5までと、プログラム8までというように、3レッスン分も違いが出てしまったりする。同じ市内で、同じ教科書を使っている同学年なのに、どうしてこんなに進度に差が出てしまうのだろう。
だれがどうみても無計画としかいいようがない。
学校の先生には「評価」というものがほとんど存在しない。もしも、外部の第三者的な評価機関があれば、こんな進度で進むことを認めるはずがない。大なり小なり、どうしてこんな進度なの、といった疑問はどの中学のどの学年にも散見される。
業務過多なのはわかるが、それは理由にはならないのではないか。
こんな先生が多いようなら、先生を評価する外部監視機関をつくろう、なんて話が出てきかねないと思う。そんなことが実際にないように、もう少しいろいろなことをきちんとやってほしい。仕事だという意識をきちんと持って欲しい。子ども相手だから「やったところまで」が許されるわけでは決してないはずだ。