「先」を知った上での指導

夏期講習の最終日です。中学生は全県模試。あの難易度のあがった県入試と出題形式がそっくりの模擬試験です。中3生は、この模試の結果と2年後期、3年1学期の学校成績を加味した志望校判定をおこないます。9月はじめに出てくるそうしたデータをもとに、保護者面談、生徒面談を実施し、高校受験の目標校の設定をしていきます。

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ちょっと遅くない? という見方もあるでしょう。しかし、圧倒的に入試の得点だけで合否が動いていくような高校入試になっています。学校成績で志望校設定などできるはずはありません。学校成績は必要条件で、十分条件ではないからです。高校入試はあくまでも当日の入試得点で合否が決まる。このことを徹底して学習を進めていきます。

夏の講習を終えた段階で、というのは、はじめて高校入試問題を意識した授業を受けた後で、どの程度の手応えで問題を解けたのか。そして、あと半年の時間で、自分をどこまでのステージに押し上げていけば良いのか。それはしっかりとしたデータがもとにあるべきです。

今日の私の講習最後の授業は高3の現代国語です。この講習では、できるだけ「旬の題材」をつかって演習をしてきました。今日も斎藤孝、保坂和志、三浦雅士などです。こうして高3生の授業をもっていると、中3生や小6生が数年後にどこまでいかなければいけないか、といったラインを私が実感として持つことができます。これは指導者としてとっても大切なことだと思います。

中3生はどうしても目の前にある高校受験だけしか見ることが出来ません。保護者の方も同じです。でも、高校受験は、その先に大学受験があり、さらに就活が続いていきます。中3生も、あと3年後には、今日の高3生が取り組むような文章にぶつかっていかねばならないのです。英語にしても数学にしても同じこと。ある程度のレベル以上の大学に進学したいのであれば、高校入試の乗り越え方、というものがあるのです。

それは「受かれば良い」というものではないはずです。せっかくの機会です。「高校受験」を通して、本当の意味での「勉強のしかた」や「自己との対話」ができるようになって欲しいです。こどもたちには無理ですが、指導者である私は、高校受験の「先」を見ながらの指導を心がけていきます。

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