給付型の奨学金

先週のニュースですが、政府が給付型の奨学金の導入を検討しているそうです。

『返済する必要がない給付型奨学金について、原則として高校時の成績が5段階評定で平均4以上であることを条件に、月3万円を給付する方向で文部科学省と調整を始めた。対象者は7万5千人程度になると見込んでおり、年300億円近くが必要になるとみている。具体的な制度案について、来週にも取りまとめる。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161020/k10010736171000.html

すでにいくつかの異論がわき起こっているようです。評定4以上というのは、レベルの高い学校ではとりにくく、そうでない学校では取りやすいはずなので不公平ではないか、といった意見です。また、月額3万円では、国公立大学の年間授業料(およそ57万円)にも満たないので少ないのではないかといったものです。

現在、何らかの形で貸与型の奨学金を借りている現役の大学生は120万人もいるそうです。報道されている給付型の奨学金の対象者は7.5万人です。貸与型の奨学金の返済に苦しんでいる若者が多い、といった現実から給付型の奨学金の導入が検討されはじめたことを考えると、ちょっと焼け石に水ではないかとも思えます。さらにいうと、卒業してから奨学金の返済に苦しんでいる若者には、今回の制度ではまったく恩恵もありません。

それでも、こうした取り組みは「はじめの一歩」として大事ではないかとわたしは考えます。できればこの後、貸与型の奨学金の返済分については、住宅ローンなどと同じような税控除の制度を導入して欲しいです。うちの子どもたちをはじめとして、miyajukuの卒業生のほとんどが何らかの形で貸与型の奨学金の返済をしています。

もうひとつ

保護者の方にわかっていただきたいのは、皆さんが高校生だったときと今の高校生を取り巻く環境の違いです。

1985年頃、つまり今の中高生を子どもにお持ちの保護者の方が18歳だった頃、大学進学率は3割程度でした。ある意味では「高学歴」というのは「大学卒」を指していた時代です。

それが、今や6割を越える大学進学率です。「大学卒」は「高学歴」ではない時代だということです。大学卒だからといって高収入が得られるわけではないという事実。奨学金を借りてまで大学を出ても、それを返済できるほどの給与をもらえないかもしれない、といった現実があるわけです。