奨学金という名の教育ローン

数日前にこの春に卒塾した大学1年のI君とM君が塾に顔を出してくれた。ラーメンでも食べに行くか、と2人をさそって大学のことなどいろいろと話を聞いた。こうした話はそのまま今の塾生たちに伝える「生」の情報としてとても大事だ。

I君は私立の保健学部。レントゲン技師を目指す学科だ。授業料はそれなりに高い。全額を奨学金でまかなうとのことで、月額で12万円を借りることになるという。I君のスマホには、その情報を写メしたものが入っていた。4年間で600万円弱。それも貸与型のもので、卒業時の時点での金利が上乗せされる。M君は私大の文学部地理学科。こちらも授業料の全額を奨学金でまかなうという。月額で8万円ほど。卒業時には400万円ほどになる。

奨学金といえば耳障りは良いが、多くの子どもたちが利用するのは「独立行政法人 日本学生支援機構」のものだ。貸与型と給付型があるが、ほとんどは貸与型。利息が付かないものとつくものがあるが、利息のつかないほうは世帯収入の基準などがある。一般的には利息のつくものを利用することになり、卒業時の利率で返済していくことになる。支援機構のホームページで見ると今年の春だと1%前後の利率のようだ。

何が言いたいかというと、これらは「奨学金」ではなくて「教育ローン」だということ。今朝の朝刊にも「奨学金という名のローン」という記事が載っていたので参考にしてみてほしい。http://mainichi.jp/articles/20160601/ddm/016/070/036000c この記事の中では「奨学金をもらっている人と結婚してはダメ。結婚後の生活が苦しくなるよ」と親に言われたと言うが、本当の話だろう。

I君もM君も大学卒業時に400万円とか600万円といった借金を背負うわけだ。きちんとある程度の会社に就職出来れば良いが、就職出来ずにアルバイトor派遣といった道に進んでしまうと、とたんにこの借金が重たくのしかかってくるはずだ。

何が言いたいかというと、奨学金という言葉にだまされないように、ということだ。もしもFランクの大学にしかいけないのであれば、実質は「教育ローン」でしかない「奨学金」を借り入れてまで進学するのはかなりのリスクがあるということ。それをしっかりと知っておこう、ということだ。

今の子どもたちのお父さん、お母さんが高3生だったときの大学進学率は30数%だった。それが今では首都圏では60%をこえている。行こうと思えば誰でも大学にいける時代だ。もちろん進学する大学の偏差値だけでなく、何をするために進学するのか、それによってどんな将来を思い描いているのか、そんなこともしっかりと考えるべきだ。と同時に、マネーバランスをしっかりとシミュレーションしないといけない。そうでないと、奨学金を借り入れての大学進学が「博打」になってしまう可能性もある。