中学校の社会科の先生方。時事問題の出題の仕方を考えてみませんか?
もしも、本当に子どもたちに社会に対して興味・関心を喚起したいのであれば、前もってニュースを選択し、それについてのコメントを記述で書かせる、なんて出題にすれば良いはずです。定期試験に出題されるニュースとして「将棋でデビュー戦から連勝記録を伸ばしている中学生棋士の名前を答えなさい」なんていう出題は、社会に関心を向けていることとは無関係ですし、それによって社会に生徒たちが目を向けるとも思えません。
いつものことですが、中学校の試験範囲表が出る度にいろいろと悲しくなってしまいます。
今回は「△△中の1年生の社会科」です。
範囲 ニュース(4〜6月) 新聞やテレビをよく見ておいてください。
これって、何を生徒に伝えようとしているのでしょうか。また、何を意図しての出題範囲なのでしょうか。わたしには全く理解できません。どなたかに翻訳してもらいたいぐらいです。
最近の中学校の社会科の定期試験には「時事問題」というか「ニュース」が毎回のように出題されます。わたしは中学校の定期試験に時事問題を出題することは無意味なのでは、と思っているひとりです。そんなことをいうと、生徒が社会に対して興味や関心を持つことは大切なことだ、といった反論が聞こえてきそうです。
確かに、社会科という教科は、生徒が社会に興味や関心を持つことをひとつの目的としているのでしょう。でも、定期試験に「時事問題」を出題することが、その目的と合致しているのでしょうか。今回の「悲しい試験範囲表」のように、新聞やテレビをよくみておいてください、その中からニュースを出題します、みたいな試験のやり方は、「生徒が社会に興味・関心を持つ」ことにはまったくつながらないと思うのです。
そもそも新聞をとっている家庭が何割なのか、この学校の先生はご存じなんでしょうか。新聞の購読率はとっくの昔に5割を切っています。テレビのニュースにしても、ワイドショーのようになってしまい、大事なニュースというよりも、視聴率のかせげるニュースばかり。少なくとも、わたしは、子どもたちに見て欲しいとは思いません。