センター試験のムーミン騒動

センター試験も終わり、各予備校の「合否システム」動き始めています。難易度がどの程度で、平均点がどのぐらいになりそうかで、合否ボーダーは動いていきます。いずれにしても、センター利用は「自己採点」をもとに合否を予測するので不確定要素が多くなります。高3生とはしかりと面談をして、2月以降の一般試験の予定を立てていきます。

さて、センター試験の地理で「ムーミンがでた」とニュースで話題になりました。またまたマスメディアの「あおり報道」でした。そして、その報道を聞いた人も、実際の問題を確かめもせずに「センターにムーミンが出たんだってよ」となります。miyajukuの生徒たちも同じでした。多くの報道が「ムーミンが生まれたのはどこの国?」といった質問がセンター試験に出題された、といった類いのものでした。

実際の問題はそうではありません。

新聞などでは下のような図のみを載せて、いかにも「ムーミンの出身地をきいた」としていますが、問題文全体をみれば、それが全く違うことがわかります。2020年に向けて、すでにセンター試験も、従来型の「知識のための知識理解」ではなく、「実際に使えるような知識理解」を試す問題に移行しつつあるのです。今回も、北欧3カ国の文化的な特徴が、自然条件や社会条件、歴史的背景などからどう形づくられたのか、といったことを聞いているのです。それも、図表や、資料を多用しての出題です。その中にアニメが一要素として出題された、ということです。

地理の知識としては、スウェーデン語と似た言語がノルウェー語であることを知っていれば、イラストの挨拶からどちらがノルウェー語かが選択できます。スウェーデンとノルウェーは言語がゲルマン系で、プロテスタントが多いという共通点があります。また、「ムーミン」ではなく「小さなビッケ」はバイキングです。バイキングは現在のイギリスに上陸して「ノルマン朝」という王朝をつくったほど一時期暴れ回り、その活動は北海だったわけです。ピッケがノルウェー人なのは一目瞭然です。

こんなふうに、新しい入試では、教科書には出ていないことがどんどん出題されてきます。とはいっても、きちんとした知識をもっていれば解答を導き出せるのです。一問一答式の知識がこれからはいかにムダなのか、といったことを知る良い出題だともいえます。それを軽いノリで「ムーミンのふる里はムーミン谷でどこの国にも属していない」みたいな報道は、バカバカしいものです。

保護者の皆さんも、この問題を見ていただき、これからの子どもたちに求められる「学力」の一例として、時代の流れを知っていただきたいです。多くの子どもたちがこうした出題にぶつかると「思考停止」になってしまうのも事実です。自ら課題をみつけ、自ら考えるチカラ、それが求められていきます。