小中学校の評定がどのようにつけられているのか
前回の記事 https://miyajuku.com/20220610-2/ で、小中学校の評価は「3つの観点をもとにつけられる」「絶対評価なので他の生徒と比べずその生徒だけを評価する」というお話をしました。今回は、必ずしもそうなっていない現実についてお話しします。
絶対評価は他の生徒と比べないはずなのですが、小中学校では評定を出すときに必ずしもそうなっていない現実があります。とくに中学校では、5段階の評定は「内申点」として私立、公立の高校入試に資料として利用されます。本来であれば、全員が「5」でもかまわない絶対評価なのに、「5」「4」「3」「2」「1」のそれぞれの評定をつける生徒の割合が決まっているのです。
たとえば東京都教育委員会が出している調査です。
評定「1」の生徒 3.1%
評定「2」の生徒 11.7%
評定「3」の生徒 48.1%
評定「4」の生徒 24.9%
評定「5」の生徒 12.1%
もちろん、昔のように相対評価ではないので、しっかりとそれぞれの評定の割合が決まっているわけではありません。それこそ、市ごと、学校ごと、先生ごとにそれぞれの評定の割合は違うといって良いでしょう。miyajukuに生徒が通っている中学は「甘い」評定がつく傾向があります。横浜市や川崎市の塾の先生方とお話しすると「甘いですねぇ」といつも言われてしまいます。
それでも、保護者の皆さまが小中学生だったときに比べると「5」や「4」は圧倒的につきやすくなっています。いつも言うことですが、進学重点校を受験する生徒の多くは「オール5」かそれに近い評定をみんな持っています。また、「3」の幅が広いですね。ですから「3」は「ふつう」「平均」ではないということです。
まとめです。
小中学校の評定は「観点」によってつけられる。「観点」は3つ。「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」です。この中で「知識・技能」「思考・判断・表現」については主に定期試験が資料とされ、その達成度によって「A」「B」「C」の3段階がつけられる。「主体的・・・」は、授業中の発言や発表、ノート、レポートなどなどによって「A」「B」「C」の3段階がつけられる。これらの3観点から5段階の評定に変換がされる。
評定をあげるには「定期テスト」で「知識・技能」「思考・判断・表現」の達成率を上げることです。「定期テスト」は範囲があり、出題される内容も限定されるので、しっかりと学習しておけばきちんと結果がともなうからです。同時に、普段から「積極的に発言する」とか「質問をする」などというように「ヤル気」をみせていくことも大事になります。
さらにもうひとつつけ加えておきます。
高校入試は「内申」と「入試得点」で合否が決まります。上位校には「特色検査」もあります。「内申」が上記のようにつけられることで、「内申」と「入試得点」の相関は弱くなっています。つまり「内申」がある生徒が「入試得点」も高いとは必ずしも言えなくなっているということです。入試は「相対的な評価」だからです。学校の成績を意識すると同時に、しっかりと入試で得点出来る「相対的な実力」をつけることも意識しなければなりません。