中学校の成績について 続き
結論から言うと、私は「学校の成績にこだわりたくない」ということです。こういう発言は誤解をうむかもしれません。塾なのですから学校の成績を上げることが目的だろう、というご意見をいただきそうです。
もちろん「学校の成績にこだわりたい」という気持ちは強く持っています。しかしそれは、努力した結果が成績に結びつく、ということが前提になっています。今の学校成績の付き方はそうなっていないのです。中間、期末試験の合計点が190点と192点の違いで評定4と評定5が分かれてしまう。それもとても易しい問題で。結果を分けているのはちょっとしたミスをしたかどうかの違いだけ。こんな状況の中で、学校の成績にこだわることに意味があるのでしょうか。
幸いなことに高校入試は多様化しています。学校成績だけで合否の決まる前期選抜と、学校成績+入試で決まる後期選抜があります。さらに、後期選抜枠の20パーセントは当日の入試だけで合否が決まります。高校入試の合否について言えば、学校成績に拘泥する必要はないのです。
前回の記事の件で言えば、私は生徒たちにこう言いました。「テストの結果から言うとよく頑張った。でも、それが学校の評定には結びつかなかった。あと数点で評価が1段階違うのも現実だ。これからはその事をよく噛みしめて勉強していこうな。と同時に、がっかりする必要は全くないよ。君たちが頑張った結果は、君たちの身体の中にしまわれている。しっかりと実力になっているはずだ。その実力を来春の入試で思い切りぶつければ良いんだ。」
いっそのこと、中学の成績も小学校と同じように「よくできました。がんばろう。」といった表現の絶対評価にすれば良いのだと思う。なまじ5段階での絶対評価などをおこなうから混乱が生じる。そして、学力は県下一斉テストなどを導入して客観的にスコアで出せばよい。検定試験のように級ごとに到達度をはかるテストでも良いと思う。
高校入試に利用する評価には、どこまでも客観性を持たせる努力をしなければならないと思うのだが。