堺雅人
テレビはほとんど見ないのだが、日曜の大河ドラマだけはとくに用事がない時は家族全員で見る、という習慣が我が家にはある。今年の大河は「篤姫」だが、世間の評判も良いらしく、20パーセント以上の視聴率が続いているとのこと。最近は25パーセント越えもしたという。篤姫役の宮崎あおいも良いが、なんと言っても徳川家定役の堺雅人の演技が秀逸だ。
調べてみると彼は早稲田大学の演劇研究会〈劇研〉系列の劇団で活躍していたとのこと。小劇場を舞台にエネルギーを発散していたのだろう。自分がそうした世界から離れてしまっているので、今の小劇場の状況がわからない。今でも昔のようにたくさんの劇団が東京の小劇場で活動をしているのだろうか。
この春、久しぶりに新宿で大学時代の劇団仲間たちと呑んだ。私は友達と新しい劇団を立ち上げたのだが、劇研の仲間にもたいへん世話になった。練習場所も借りたし、客演ということで出演してもらったモノもいた。大隈講堂の裏には、劇研をはじめとしたいくつかの劇団の小屋がある。中でも長い歴史をほこり、数多くの役者を排出した劇研に所属しているモノは羨望のまなざしをあびていた。そこには不思議な世界が今も存在しているのだろうか。
堺雅人。不思議な雰囲気を持った俳優だ。確かに、小劇場の舞台で彼の演技を観てみたい、そう思わせる何かをもっている。