塾はサービス業だろうか?
そうした塾の多くは、学習塾をサービス産業と考えての経営方針を徹底している。
サービス業なので、市場の需要を取り込むことが何よりの優先事項となる。消費者が何をもとめているのか、それに応えることがすべてだ。私はそのことを否定するつもりは全くない。あたりまえのことだと思っている。保護者の方からいただいた授業料に見合っただけのサービスを提供できないようなら塾はつぶれてしまう。
ただ、ここが言い回しが難しいところだが、それだけではダメなんだ、ということを声をちっちゃくして言っておきたい。
学校の成績を上げること。もちろんそれは塾の役割として大切なことだ。ただ、今の入試制度、今の入試問題から考えると、学校の成績に頓着しているレベルではダメなことはこのブログでも何度もふれている。ざっくりと言ってしまえば、高校入試で目標校への合格を目指すのであれば、学校成績に目を向けるのではなく高校入試に目を向けるべきだ、ということになる。
しかし、これでは消費者が求めていることとは違ってしまう。消費者は目の前にある成績を上げることをのぞんでいる。学校の成績を上げるには、基礎・基本の問題を徹底的に何度も繰り返してミスを減らすことが求められる。そのことと、入試問題で得点を取るチカラをつけていくことは全く違う学習法になる。
何が言いたいか。保護者の方が塾に求めているものが志望校への合格なのであれば、塾はその目的の達成のために、あるときは親を啓蒙していく役割も担っている、ということだ。さらにつっこんで言うと、いけるところに、といった考え方もよくないことをしっかりと伝えるべきだ。もっというと、高校入試をそれだけで終わらせることなく、大学入試へ、就活へどうつながっていくのか、といった発想での指導をこそ塾には求められていると思う。
そうした意味で、学習塾はサービス業になりきってしまってはダメだ、ということだ。
いやいや、それにしてもこんなにたくさん塾ができてしまって、それだけの需要があるのだろうか(^^)