ちょっとショックなニュース
といっても、皆さまにとっては、何のことはないニュースかもしれませんが・・・
ニホンザル、ライチョウ捕食の瞬間 研究者が初めて確認 http://digital.asahi.com/articles/photo/AS20150831003962.html
ライチョウは絶滅危惧種です。北アルプスと南アルプスの3,000メートル級の高山に2,000羽から3,000羽が生息しているだけです。2万年前の氷河期に日本列島に渡ってきて、その後、地球が暖かくなるにしたがって高山にすみかを移動させていった生き物です。私も北アの剱岳、白馬岳、蝶が岳、南アの北岳、と5回ほどしか出会ったことがありません。
そんなライチョウがサルに補食される瞬間の絵は、とてもショッキングなものです。
ライチョウがいなくなっていく理由はいくつかあります。
中央アルプスでは、ロープウェイが出来て人がたくさん入ることで数年で絶滅したといいます。登山者が残した残飯などを求めて、ハシブトガラスやキツネなどが高山に入り込み、それらの猛禽類に補食されたり、人が持ち込む病原菌に感染してのことです。
近年では、地球温暖化の影響で、シカやサルが高山に登ってこられるようになり、ライチョウの生息域まで進出してくるようになったことです。このニュース映像はそうしたことを証明しています。このままサルがライチョウの補食を覚えてしまうと大変なことになります。
それでなくても、森林限界をこえた場所にある高山植物を、シカやサルが食べ尽くしてしまう被害があちこちで見られます。これらの植物は、ライチョウの食べものでもあるのです。地球温暖化の影響はこんなところにも出ているんですね。
下の写真は、2013年に北アの蝶が岳で出会ったライチョウです。今年からライチョウの卵を動物園でふ化させて育てる試みもはじまっているようです。でも、出来るだけ、数万年も昔から生き続けてきた環境の中でライチョウを守りたいですね。