100人の大学生のうち3年後も仕事をしているのは?
答えになる円グラフが下にあるので、それは見ないようにして下さい。
今年の春に大学に入学した生徒をわかりやすく100人とします。その100人のうち、つぎにあてはまる人数はそれぞれ何人でしょうか?
卒業までに中退する人 ・・・・ 人
留年する人 ・・・・ 人
大学院などに進学する人 ・・・・ 人
卒業するけど就職しない人 ・・・・ 人
就職するけど3年以内に辞める人 ・・・・ 人
これらすべてを100人から引き算すると「就職して3年以上働く人」が残ります。
そうなんです。親が子に最ものぞむはずの「大学を出て、安定した会社に勤めて、しっかりとした社会人になって欲しい」という願いをある意味でかなえているのは、31人/100人しかいないんです。詳細は今月の「プレジデントファミリー」に詳しく書いてあります。
http://family.president.co.jp/blog/diary/128/1114/
どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。理由はひとつではありません。様々な要因が複合的に重なってのことです。その中のひとつの原因が進路選択の失敗でしょう。お父さん、お母さんが18歳だった時と比べて、今は情報があふれるほどあります。レストランで食べるものを選ぶとき、数多くのメニューがきらびやかに並んでいると迷ってしまうのと同じです。ありすぎる情報が大学選択を難しくしているのです。
どの大学のパンフレットを見ても、きらきらしいことばかりが書かれています。その大学に入学しさえすれば、あらゆる夢は実現するかのような錯覚に陥ります。しかし、現実はそんなことはない。地道な努力や理不尽な社会の風にあらがう力がなければ夢など実現しようがない。これは就活にもいえることです。誰にでも平等に機会があるかのような錯覚を起こしがちなのです。良いところだけを見せて、裏側の大変な部分は見せないのです。
先週の土曜日の「大学入試について考えよう」という説明会でも同じように話をしました。確かにこれから高校生になる生徒や保護者には「身も蓋もない」話になってしまいました。ただ、それだけ危機感をいだいて欲しい、ということです。このグラフをみて、現実の厳しさを保護者の方は是非とも感じて欲しいです。
と同時に、高校生は塾は必要ないだろう、ではなく、高校生こそ塾が必要だと言うことをわかっていただきたいです。なぜか? 学習塾だけがこうした「身も蓋もない」世界の現実をふまえた上で生徒たちの指導ができる場だからです。「そうじゃないだろ」「そのウラ側はこうなんだ」といった話ができるのは学習塾だからこそです。
答えのグラフ
出典 山本繁著「つまづかない大学選びのルール」