成人の日に考えたこと
昨日の息子との会話。
「来年はオレも成人式だけどスーツで行くのかなぁ。」
「やっぱり行くのか? オレは出席しなかったなぁ。そもそもスーツなんてものは就職試験の時も人のを借りたからな。」
「お父さんらしいや。流れに乗らないっていうか。体制に反発するっていうか。」
「いや、あの頃はみんなそんなもんだったんじゃないか。お母さんも成人式なんてものに出席はしてないはずだよ。」
最近は、8割近くの若者が自治体の行う式に出席するのだという。いや、それを悪いと行っているのではない、若者気質の変化にちょっとびっくりしている。
精神科の香山リカさんが、「最近の若者に尾崎豊が歌う映像を見せると『こんなに熱く歌って気持ち悪い』とか言うんです。」教鞭をとる大学の心理学の授業で尾崎を取り上げているが、「大人への反発や、管理社会への抵抗を歌った曲は非常に人気が低い」と昨日の新聞で言っていた。
今の若者は無条件に大人を信じる傾向にある。香山さんは「大人は自分のために何か協力してくれる存在。それを利用しない手はない。尾崎みたいに生きるのは損だ。」と今の若者は考えていると言う。「上の世代に反抗する意味ってあるんですか」「社会に抵抗するのは時間の無駄。ただ、自分の力を出せばいいだけ」これが今の若者気質のようだ。
こんな私たちでさえ、その上の世代からは「軟弱だ」と言われていたように思う。
既存の価値観を壊すもの。それが「男の子」といった感覚はもはや失われてしまったのだろうか。そんなことを考えた成人の日だった。