「大学図鑑」

「大学図鑑」という本がある。ダイヤモンド社というところから出版されているのだが、「有名大学の入学後がわかる!」とタイトルにあるとおり、ちょっと変わった大学紹介の本になっている。

関東私大は「Aグループ/早稲田・慶應・上智・ICU・理科大」「Bグループ/明治・立教・青学・中央・学習院・法政・東京農大・北里」「Cグループ/成蹊・成城・明学・獨協・國學院・武蔵・芝浦工大」「Dグループ/日本・東洋・駒沢・専修・神奈川・玉川・文教」「Eグループ/大東文化・東海・亜細亜・帝京・国士舘・拓殖・東京経済・和光・立正・関東学院・桜美林」と分類して、それぞれの学校の「今」を伝えている。

切り口も入学後の学生生活と、卒業後の進路を中心にしてある。タイトルだけを列挙してもこの本の意図するところがわかるはずだ。

早稲田・・多彩なキャラがざわざわ行き交うヒューマンスクランブル大学
慶應・・社交的で合理的、明るく賢く咲きほこる私大の華的大学
上智・・コンサーバティブな優等生が集まる都心のこざっぱりとした大学
ICU・・東京23区の隣でのびのびと「閉じている」ミニアメリカ大学
東京理科大・・中堅研究職の卵たちがかもしだす善良な安定感
明治大学・・「元気があれば何でも出来る」と信じたいパワフル大学
立教・・まあまあの満足感を感じながら生きていける内弁慶大学
青山学院・・アオガクというオシャレな響きを喜べる学生のための大学
中央・・きれいな空気を吸いながらおだやかなキャラを形成していく大学
学習院・・やっぱり隅々までノープルな空気がゆるやかに漂っている大学
法政・・こぎれいなイメージだけを強調したい元・代表的バンカラ大学
東京農業・・お百姓さんイメージからは遠く、意外にフツーな生物系総合大学

ただし、切り口は時に厳しい。例えば「私大Eグループ」の総括では「・・『どこに行くか?』の前に『なぜ大学か?』を考えよ! 自分はもしかして『大卒は高卒よりも上』という考えに縛られていないか? この問いかけを忘れないで欲しい・・」と手厳しい。

多くの大学紹介本は、実は、大学からの協賛金目当ての紹介本になっていて、「本当の姿」を描けなくなっている。この「大学図鑑」もすべてを鵜呑みに出来るわけではないが、ディテールをふくめて他の大学紹介本にはない情報が満載だ。たとえば、「・・・ここの学食にはサラダバーもあり、日替わりのランチメニューの中でも『あさりのクリームスパゲティー』がとくに人気・・」などといった情報も書かれている。実は、そんなディテールの積み重ねが大学の雰囲気を作っている。

大学選択の際には、是非とも目を通しておきたい一冊だ。