テレビの報道番組
例えば、北朝鮮と韓国との砲戦について。もう、今すぐにでも日本に北朝鮮の攻撃があるかのような騒ぎかただ。確かに大きな事件だが、だからこそ冷静に判断できるような情報を伝えてもらいたい。先日の尖閣列島の事件についても同じようなことがいえた。事件の表面だけをとらえて、対応があまい、とか、もっと中国に対して強硬な姿勢をなどといってばかりだ。
中国と戦争でもしろ、というのか。日本の憲法は「国の交戦権」を認めていない。たとえば中国が尖閣諸島を占領しようとしても、自衛隊は本当に戦うことが出来るのかさえはっきりしない。しかも、占領された島を奪還しようにも、自衛隊には上陸用舟艇などの装備はないそうだから、指をくわえているしかないのが現実だという。そもそも中国が尖閣諸島に攻めてくる、などという現実が起こりうるのだろうか。
今、私たちが考えなければいけないのは、国の形をどうしたらよいのか、第9条をどうすればよいのか、そんな根本的な議論なのだと思う。そこまで踏み込んでいろんなことを考えないと何も解決しない。ここをタブー視していては、結果的になし崩しの現実だけが進んでいく。私は何も「戦争できる国にしろ」といっているのでは決してない。最近のテレビの報道の姿勢が行き着く先は、そうしたところになってしまうという危惧をいだいているのだ。
学習塾の塾長のブログでこんなことを書いてもしかたがないのかもしれない。でも、子供たちを指導している立場から見て、最近のテレビの報道のしかたには疑問を感じている。このままいくと、右へ右へと舵が切られていくような気がしてならない。未来の子供たちをきな臭い世界に置いてはいけない。
生徒たちにはよく言っている。
君たちは日本に生まれて本当にラッキーだよ。少なくとも徴兵がないんだから。日本の周りの国を見てごらん。多くの国が徴兵制をとっている。韓国、北朝鮮、台湾、中国、ロシア、ベトナム、タイ・・・ ほとんどすべてだろ。太平洋戦争が終わって65年。戦争をしていない国って意外と少ないんだよ。もちろん日本は戦争をしていない。この国に生まれて本当に幸せなんだよ。
あらゆることに冷静に。
国会での政治家たちのやりあいにも本当に気持ちが悪くなってくる。国立大学への運営交付金はどうなったのだろう、子宮頸がんの予防接種の無償化はどうなったのだろう、気になることはいっぱいあるのだが、誰も議論している気配さえない。困ったものだ