天地明察

昨日に続いてお薦めの本です。

天地明察

「天地明察」 沖方丁 著

昨年の本屋大賞(全国の本屋さんに“おもしろい”と選ばれた本)です。映画にもなって現在公開中です。とにかくあきさせません。500ページをこえる長編ですが、先を読みたくなってしかたがない、といった展開です。一気に読めてしまいます。

主人公は渋川春海(安井算哲)という江戸時代初期の人物です。将軍に碁をもって仕える家に生まれます。碁の道を進みながら、山崎闇斎に垂加神道を学び、数学や暦学などをその道の先達に学んでいきます。数学者の関孝和との交流は小説の中でも大きな役割を果たしています。その他にも、会津藩主保科正之、水戸藩主徳川光圀なども物語の中で重要な存在になっています。

読みどころは満載です。数学が好きならば、江戸時代の数学者たちの様子を知るために読むと良いでしょう。「直角三角形に内接する2円の直径を問う問題」など、小説中にも何題かの問題が登場してきます。それらの問題に江戸時代の算学者になったつもりで挑戦するのもおもしろいです。ちなみに私も解いてみましたが、きちんと正しい答えでした。

また、歴史好きにはたまらない本になっています。渋川春海、山崎闇斎、関孝和・・ 江戸時代前半の教科書でしか知らなかった人物たちが生き生きと動き回るわけです。小説を読んだ後で映画を見るとさらに楽しみが増すはずです。さらに、理科好きには天文学、暦学の話がワクワクとさせるはずでしょう。

オトナはもちろんですが、中・高生にも是非とも読んでもらいたい一冊です。想像の海を泳げることが請け合いの一冊になっています。なお、映画もおもしろかったです。先に映画を観てから原作を読んでも良いと思います。映画はかなりエンターテイメントに作ってありますから。岡田准一も宮崎あおいも良い演技でした。

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