2020年 大学入試が大きく変わる というよりも日本の教育がかわる!? その2

16日付けの朝日新聞で文科大臣が今回の「高大接続改革」についてインタビューにこたえています。http://digital.asahi.com/articles/DA3S11756031.html

さて、親としておさえておきたい今回の改革のポイントについてです。

1 センター試験がなくなり新しくふたつの試験が創設される
2 新テストは年間1回ではなくCBT(コンピュータを利用した試験)方式も導入予定
3 新テストでは教科の枠組みがかわる
4 推薦・AO入試は廃止されると同時に各大学の個別試験も様変わりする
5 現中1が新制度の初年度生になる
6 本当の目的は「日本教育をひっくりかえす」ことにある

それぞれについいての詳細は次回からにゆずります。今日は「どうして大学入試改革をおこなうのか」についてです。その点をおさえておかないと、今回の「高大接続改革」の全体像がぼんやりしてしまいます。また、この改革と並行して、文科省は国立大学の改革も急ピッチで進めています。これについては http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2013/12/18/1341974_01.pdf にくわしいです。

この文科省のページを見ると、国が現状の大学教育に「並々ならぬ危機感」をいだいているのがよくおわかりになるでしょう。キーワードは「グローバル化」と「国際競争力」というところでしょうか。役に立たない文系学部はどんどんつぶして、日本の経済を活性化するような理系学部に予算や人材を注力する。その方向性の是非はともかくとして、国は大学を「経済の論理」で徹底改革していくつもりなのです。

横浜国大の室井教授のブログです。「・・・文科省がこれらの大学(埼玉大学、千葉大学、横浜国立大学)に求める『ミッション』は共通している。つまりは理工系か医療系に力を注げということだ。実際、文科省の担当者からは多数の私学がある神奈川県では、教育コストがかからない文学部系は私学に任せて、理工系に集中させないと税金を投入する意義を問われると財務省から言われているとの発言があったそうで・・・」まぁ、数年先には国公立大学から文系学部が消えてしまっている、ということになるそうです。

今回の「高大接続改革」の下敷きとなった「中央教育審議会」が示した道筋も似たようなことをいっています。日本の現状を、生産年齢人口の急減、労働生産性の低迷、グローバル化・多極化にあるといい、その流れは想像以上にはやい。これまでと同じ教育をしていたのでは、これからの時代に通用する力を今のこどもたちが育むことはできない。小中学校では「新しい学力観」による学習成果が少しずつ現れてきているのに、高校での学習は「従来の学力観」にしばられたままだ。それは大学入試がかわらないからだ。というのです。

「従来型の学力観」というのは「知識量」を問うものです。「新学力観」というのは、「課題解決型」の学力です。大学入試をかえることで、「従来型」の学力観と決別し、「課題を解決するための思考力、判断力、表現力」や「主体的に学習に取り組む態度」を中心とした教育にかえていく、という意思が今回の改革の底流にあるのです。こうした点をしっかりとふまえた上で個々の改革の内容を考えていくようにしましょう。

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