大学に進学するメリット
なんで大学進学を目指すのだろうか。それはいろんな意味で「豊かな人生」を送るためだろう。経済的な豊かさでも精神的な豊かさでも、大学を出た方がよりおっきな豊かさを手に入れるだろう、という思いがあるからだ。実際、高卒と大卒の生涯賃金はどのぐらい違うのだろう。
高卒 男子 2億4610万円(42年間) 女子 1億8240万円(42年間)
大卒 男子 2億7710万円(38年間) 女子 2億3530万円(38年間)
※労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2015」より
まず、男性よりも女性の方が高卒と大卒の差が大きいことは注目だ。きっと、高卒の女子の場合は一般職が多く、昇給も抑えられるからなのだろう。大卒の女子は、男子よりも仕事と大学を結びつけた選択を進学時からしている傾向が強いともいえるかもしれない。
男子についていえば高卒と大卒の生涯賃金の差は3,000万円ほど。4年間の大学通学にかかる費用は授業料だけでも国公立大が210万円、私立文系で360万円、私立理系で500万円。これに教科書代など様々な費用が加わるので、在学時の教育費は国公立大で500万円、私立文系で700万円、私立理系で800万円ほどとなる。さらに4年間の生活費が加わる。自宅通学者で200万円、下宿生で500万円。
もうここまでくると、生涯賃金の3,000万円の差はほとんどなくなってくる。それほどに子どもを大学に進学させるにはお金がかかるということだ。奨学金という名の借金をしてまで大学に進学しても、その進学が経済的に人生を豊かにさせるかどうかは微妙な時代になっているようだ。
なんで大学に進学するのだろう。実は、経済的な意味ではそれほどの「差」がないのが実際だとすると、大学に進学する意味は、人としての豊かな成長のため、などといった意味合いが強くなってくる。
と同時に、経済的な豊かさを結果に求めるのであれば、それなりの大学進学をしなければならないということ。偏差値の高い大学にいけばそれなりの賃金が得られる企業に就職出来る可能性が高い。もっというと、仕事に直結する大学進学をする、という手もある。
ここでも今までの常識は通用しなくなりはじめている。