小論文の書き方

指定校で専門学校と大学への進学を決めた高3生ふたりの小論文対策をおこなっている。そもそも小論文というのはなんだろう、ということから指導がはじまる。何か書かせると「作文」になってしまうからだ。

A 高校での思いでのいちばんは体育祭です。仲間みんなで力を合わせてひとつのものを創り出せた喜びは何ものにも代えがたいものがありました。

B 高校で理系選択の生徒が国語や社会などの科目を勉強しないことには反対だ。なぜなら、高校では専門科目に偏った学習ではなく、広く知識を学ぶべきだからだ。

Aは作文でBは小論文だ。作文は自らの体験や感想を書くもの。小論文は自らの意見を述べそれについての理由を書くもの。したがって、作文は「〜だと思う」となるが、小論文は「〜と考える」という表現になる。

そうした表現的なものよりもさらに大切なのは、小論文には明確な論理がなければならないということだ。小論文には、読み手に「なるほど」とわかってもらえ、読み手を納得させられるだけの論理性がもとめられる。論理性というのは、テーマの説明→そう考える理由→具体的な数字などを挙げた事例→結論、といった流れのことだ。

さらにいうと、自分の主張に独自性があるともっと良い。少なくとも、自分が工学部の情報工学系に進学するのであれば、その進路に則した内容で、ある程度の知識理解を持った上での文章展開になっていなければならない。薄っぺらな理解しかない言葉を使うと、それなりの読み手にはすぐにばれてしまう。

つまり、小論文を書くためには、きちんとした「知識・理解」こそがベースになければダメだ、ということだ。

昨日もK君の小論文指導をしていて、彼が「AI」をテーマにした文章を書こうとしていた。それは彼の大学での学習の夢でもあり、そうした方向で文章を進めていくのは大いに結構だ。ただ、あまりに知識が浅すぎる。そこで、次の番組をしっかりと見ておくように指導した。

超AI入門 http://www.nhk.or.jp/aibeginner/

この番組は、わたしの尊敬する塾人である香川県の「レーゼ・クライス」の三谷先生の塾の卒塾生で、日本のAIの第一人者であるという松尾豊さんが出演されているものだ。こうした番組を見て、学校の図書館で本を借りて読んで、といった時間があってはじめて文章が書ける。

小論文を書く上での最大のポイントは「読み手を説得できる論理」を自らのなかに作ることなのだ。

皆さんも是非ともこの番組はご覧になってみてください。

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