今年の私立中学入試国語に出題された作品

今朝の朝日新聞の教育欄に「国語入試のいま https://digital.asahi.com/articles/DA3S14948116.html 」という記事が載っていました。朝日新聞を購読していないと全文を読めないので解説を含めてお話をしておきます。内容としては「私立中学入試」の出題についてですが、これからお話しする傾向は高校入試や大学入試にも少なからず言えることです。

2021年春の私立中学入試で出題された作者のベスト3は以下の通りとのことです。

1位 稲垣栄洋  2位 池内了  3位 寺地はるな

稲垣さんは3年連続で1位です。植物学者で「世界史を大きく動かした植物 https://amzn.to/3wPibfX 」が代表的な著作です。入試で多く出題されているのは「ちくまプリマー新書」の「はずれ者が進化を作る 2020年刊 https://amzn.to/3wPsHnn 」です。

植物学の本と言うよりも、植物から著者が学んだことを若者に伝えるというなかみです。ある意味では人生訓ですね。自分の個性って何だろうなんて悩む若者が読むとよい1冊です。前向きに生きていこう、という気持ちさせてくれます。

池内さんの本も「ちくまプリマー新書」の「なぜ科学を学ぶのか 2019年刊 https://amzn.to/3qnXdlZ 」です。池内さんは宇宙物理学者です。寺地さんは小説家です。「大人は泣かないと思っていた 2020年刊 https://amzn.to/3gPZELe 」や「水を縫う 2020年刊 https://amzn.to/3qhNbD5 」などの作品があります。 

いずれにしても、最近の私立中学入試の国語の出題はつぎの2点に特長があると記事では言っています。

1 「新作」からの出題

2 「多様性」というキーワード

以前の私立中入試では「椎名誠/岳物語」「あさのあつこ/バッテリー」「重松清/きよしこ」などの定番作品が出題されることが多かったです。もちろん、今でもそうした作品からの出題はあちこちでみかけます。しかし、上位校を中心としてここのところ「新刊」からの出題が増えているのです。「初見」の文章を読んで理解する力を問おうとしているのかも知れない、と記事にあります。

また、寺地さんは記事の中で「男らししさ、女らしさ、普通って何だろう、と考えながらこの小説を書きました。子どもたちが大人になったころには、もっとバラエティーに富んだ世界になればいいな」とおっしゃっています。最近の国語入試の出題は「ジェンダーや障害を切り口に、多様な他者にどう向き合うかを問うている」と記事にはあります。

入試のために読書をするわけではありませんが、入試対策がきっかけとなって読書をする、というのはとても良いことだと思います。しかも、近年の入試の出題傾向にあわせて「新刊」「多様性」という観点から読書を進めていくことも良いのではないでしょう。